秋空が見えるようになってきても、まだまだ暑かったけどスコンっと気温が下がった日があった。
ねじは少し体調を狂わせたようだった。
猫はむら食いで餌を食べたり食べなかったりがあると聞く。
ねじはもともと小食に思っていたのだけど、さっぱり食べない日もあらわれて。
そのうち、食べたら数時間後に必ず吐くようになってしまった。
ねじは至って元気で、吐く以外咳をすることもなく、くしゃみをするわけでもなく。
とにかく食べても吐くように。
毛繕いが上手になってきたのと、季節が変わってきて若干毛が変わってきたから、吐き出しているだけなのかな?
とも、思った。
しかし、始末するときに吐いたものを見ても、毛らしい毛は微塵も無く。
丸呑みのフードばかり。
歯の生え変わりも後半戦、って感じだから仕方がないのかな?
そうは思ってもちっとも治まらない。
部屋を出入りするたびに、私を見上げて話しかけてくるようになったのだけど。
声がかれていてなんとも哀れながらがら声。
吐きすぎでのどを痛めたのか、風邪を引いてのどを痛めているのか。
困ったときの病院頼み。
連れて行ってみることにした。
ワクチンが効き始めて、もしかしたら潜在的に持っていた病気が活性化されることもあるから、風邪じゃなかったら血液検査しようと聞かされた。
一応、まずは風邪として注射と点滴。
吐き気止めの薬。
そして、下痢なんかはしていないけど、お腹に虫がいても同じことが起きるから、念のために虫下しもしようと。
口周りを触りまくって慣れさせていたおかげか。
獣医が虫下しの薬をピンセットで押し込んだときも抗わずおとなしく飲み込んでくれた。
ねじ、上手上手、よく飲んだね。
人になんか絶対言わないだろうな、なんてことを平気で言うようになっている私に気付いた。
通院は二回連続。
たぶん風邪だと思われた。
さすがに二日目は診察室で逃げ腰。
私の胸に張り付いて動かない。
仕方がないのでそのまま抱いた状態で注射。
この日初めてねじが注射でギャッと鳴いた。
内服薬を一週間。
餌に混ぜて与えて。
その間は全く吐かなかった。
風邪だったのかなぁ?
虫がいたのかなぁ?
トイレの掃除をしても、それらしい排泄物は現れず。
虫下しの薬は、卵にも効くから、全部排泄されるそうで。
最近は一度で済むとも聞き。
毎日見たけれど虫らしき物体を排泄する様子は無かった。
薬がなくなるまでの間、カリカリフードを変更して缶詰にしていた。
缶詰の方がねじは吐かないのかな?
でも、缶詰はお高いし…
固形フードを砕いてふやかして与えてみた。
そうしていると次第に吐く回数が減ってきた。
風邪疑惑で病院にかかってから二週間後、ようやく固形フードを食べられるようになった。
結局風邪だったのか虫だったのか、毛吐きだったのか分からないのだけど…
とりあえず風邪なら治ったのだろうし、虫なら駆除できたのだろうし。
毛を吐くのだったらこれは止められないのだから仕方がない、と。
そう、私の中で結論が出た。